9月12日、区議団の有志と福岡市の大木町と全国初の水溶化処理システムを開発運用しているトータルケア・システム株式会社を視察してまいりました。大木町は2008年3月11日に「大木町もったいない宣言」を町議会議決しました。
内容は
1)先人の暮らしの知恵に学び、「もったいない」の心を育て、無駄のない町の暮らしを創造します。
2)もともとは貴重な資源である「ごみ」の再資源化を進め、2016年度までに、「ごみ」の焼却・埋め立て処分をしない街を目指します。
3)大木町は、地球上の小さな小さな町ではありますが、地球の一員としての志を持ち、同じ志を持つ世界中の人々と手をつなぎ、持続可能なまちづくりを進めます。とのゼロ・ウエイスト宣言です。

大木町のごみリサイクル率は、平成17年では14.9%だったのが23年度は56.5%と飛躍的に伸びています。我々は今回特に紙おむつのリサイクル事業を視察させていただいたのですが、大木町ではごみゼロを目指して地区分別収集を21種類、その他生ごみも分別回収してバイオガスシステムにて液肥を作り、水稲・麦・菜種などの生産に活用し、安定的な液肥利用の確保と地産地消の推進をされていました。我々が伺った環境プラザは町民の方が平日の3時から6時までいつでも自由にごみを持ち込むことができきれいに分別されていました。また高齢者のお一人暮らしで分別が困難な方にはシルバー人材センターの方が見守り事業と困りごと相談をかねてゴミ出しサポートをされていました。

紙おむつのリサイクルは昨年10月からで約10万円する回収BOXを町内54か所設置しているのですが、この費用はおむつのメーカー5社に回収BOXに宣伝を出すことで負担していただいているそうです。また町民は15リットル袋を10枚150円で購入しいつでも回収BOXに入れることができるようになっていました。回収は週2回で回収されたおむつは大牟田市の水溶化処理システムで再生パルプとRPF(固形燃料)と土壌改良剤に再資源化されていました。この工場は焼却処理にくらべCO2排出量を約40%削減されれそうです。ただこの処理システムは水を大量に使うためお隣には水処理施設の併設が不可欠とのことでした。今後高齢社会が進む中、大人用の紙おむつは需要が高まることは必至であり今までのように燃えるごみとして処理をしていくより、再生してまたパルプから紙おむつを作る技術も進んでいると伺いました。このような循環型社会の構築を進めなくてはいけないと強く考えさせられる視察でした。